映画『日日是好日』感想
茶人を目指す、窓辺亭主ミワコです。
この映画の勝手に宣伝してたけど、やっと観てきました!!
真面目で、理屈ぽっくって、おっちょこちょい。
そんな典子は母に勧められてお茶を習うことになった。
二十歳の春だった。
それから二十四年。就職の挫折、失恋、大切な人との別れ。
いつも側にはお茶があった。
(公式HPより)
想像してたように・・・。いえ、それ以上に沁みたあああ。
もうね、ポロポロ泣きましたとも!
茶道に興味が無くても、日々を一生懸命悩みながら暮らす人たちみんなに何かが伝わる作品だと思う。
考えすぎてしまう現代人にとって茶道ってなんて素敵なんだろう!という気持ちが詩情豊かに表現されていてうれしかった。
お稽古の始め、初心者のふたりはお点前の動作がいちいち不思議でたまらない。
何のためにそんなことをやるのだろうでイッパイ。
武田先生は頭で考えるんじゃないのと笑う。
私も型を体に染み込ませるうちにたくさんの言葉にはできない学びがあった。
精神が研ぎ澄まされるような、癒されるような。
また、科学的にも体の動きと感情が連動していることが分かっている。手を広げて嬉しいポーズをすると、嬉しいと感じる。
鏡を見てニッコリする。楽しいと叫んでみる。すると楽しい気分になってくる。
茶道の所作にも利休が仕組んだ意味があるのではないか
と勘ぐったりしてしまう(笑)
集中して茶を点てる。茶室に佇む。
経験したことがないと、同じ動作の繰り返しを退屈そうと思う人もいるかもしれない。
けれど、茶道を続けるうちで私も主人公と同じで何かを気づく。大袈裟に言うと『悟る』瞬間があるのだ。
その至福の一瞬を味わうために茶の道を歩いているのかもしれない。
映画を観ているだけで、ムズムズと茶室に行って茶を点てたい衝動に駈られてしまった(笑)
生活ルーティンのなかに茶の湯が組み込まれてしまうと手離せないのも不思議なもの。
物語は二十四節季とともに進む。
季節の移り変わりと人生をなぞりながら。
日本の美しい四季のなかで、私たちは悲喜こもごもありつつも淡々と歩んでいく。
私たちにとって、茶の湯を嗜むことが人生の目的ではない。ただただ人生に寄り添って背中を押したり、背中をさすってくれたりそんな存在なのだろう。
どんな日であっても『日日是好日』と真に思える。そんな人になりたいと思った。
エッセイも再び人気が出ているらしくて、嬉しいですね~(*^^*)
表千家不審庵は応援という立場なのもちょっと控えめ過ぎて微笑ましいです。
樹木希林さんの武田先生はお茶目でいて、懐の深さを感じる素晴らしい先生。
黒木華さんが原作の雰囲気を柔らかく出していて微笑ましかった。
世武裕子さんの音楽、最近よく耳にするな。音のイロドリがまた素晴らしいのでした。
日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)
- 作者: 森下典子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/10/28
- メディア: 文庫
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