窓辺の喫茶

空想喫茶店でおもいついたまま好きなことをぼやきます。

日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ

窓辺の喫茶店主ミワコです。

 

小さな本棚がひとつある。この喫茶店で唯一、古道具屋から求めたもの。いつの時代、どこで作られたのかは分からない。茶色い塗装がしてあるが、ところどころ傷があって剥落している。

 

ここには店主の好きな本と、小さな太陽の塔オブジェを置いている。

 

ジャンルもバラバラ。時々気分で入れ替えたりもしている。なにせ小さな本棚だから。

不定期に一冊ずつ紹介しますね。

 

 

先日、女優の樹木希林さんが亡くなられました。

長い人生のなかで辛苦はたくさんあったと思いますが、あんなに既存の価値観に囚われず自由闊達に、発言は歯に衣着せず、自分のペースで生きる姿に尊敬を抱いていました。

女性だからとか、時代だからとか、こういう環境だからとか、すぐに逃げ込む自分がとてもとても恥ずかしくなってしまいます。でも、だからと言ってすぐそのようにできないのも自分。生きるって葛藤が多いものです。

 

さて、樹木希林さんの遺作になるのでしょうか。10月13日(土)に『日日是好日』の映画が公開されます。

予告編見ただけで胸が詰まって泣きました。

 

ストーリーは映画の公式HPにあるので書きません。

茶道に興味がない人にも、経験者にも是非手に取ってほしい、幸せな時間が流れる物語。

 

ここからは私個人の話。

 

主人公と同じ表千家茶道をはじめて、まだ7年目。もう7年目なのかもしれない。

高校時代に茶室を横目に眺めてから、こころの端っこにずっと興味があったけれど、入口が分からなくてずっと不思議の世界だった。

 

友人のつてで、師匠を紹介いただいた。やさしくて真面目な素敵な先生。

だから、たまたま表千家茶道を習っている。

 

始めはチンプンカンプンだったお点前を徐々に覚えて、夏と冬のお点前だけでなく、季節ごとのしつらいや炭点前も稽古してあっという間に一年が経つ、二年が経つ・・・

道具により形を変えても、基本の型を繰り返し繰り返しなのだけど、その時々の自分自身が点前に乗っていく。

 

本来は禅宗の教えを実践しているものだから、自分を失くし自然のままに淀みなく流れるようなお点前を目指している。

 

こういう書き方は語弊があるかな。ちなみに宗教や思想を教えられることほぼない。

 

茶室のなかで、もっとも大切にしているのは主と客に通うもてなしの心。思想といえばそれに尽きる。

 

だからこそ「我」を感じて、「我」と向き合う時間がそこに生まれるのだろう。

 

心が安定している日は互いに気持ちの良いお点前になる。焦っているときやイライラしている日は、呼吸が乱れて雑になったり異様に早いお点前になってしまい咎められることもある。「我」が出てしまう瞬間だ。

 

「我」と向き合うなかで、私は人生のやり直しを思い離婚を経験した。茶道のせいでは全くない。心持ちが変わってきたなかのひとつの節目が起きたのだった。

 

生活も大きく変様変わりして、当たり前のことだが自分の足で地面を踏みしめて生きていくようになった。

仕事も変わった。とりまく人間関係もどんどん変わっていく。悩みも変わる。

 

でも、変わらないのは茶室に座して茶碗に向き合い茶を立てる瞬間。

 

こころを鎮めて一心に一服の茶を点てる。

 

茶道というものが始まって、千利休がわび茶を大成させた。彼と私をはじめとする現代人は環境も立場もまったく違う存在、感じるものも全くちがうだろう。

 

でも、一瞬なりと茶道を経験したものにしか味わえない同じ感情があるのではと想像している。

 

 

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

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好日日記―季節のように生きる

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