窓辺の喫茶

表千家茶道、茶人を目指す。アート、音楽好き。HSS型HPSのため臆病なくせに好奇心旺盛。日常に思ったことの徒然を書く。

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ウツと片付けと断捨離とミニマリストと…HSS型HSPの場合

一年振りの投稿、サボりというか放置してました。

窓辺の喫茶亭主ミワコです。

 

一年前の投稿をチラリと冒頭を見たら既にこの辺りから抑うつの傾向に入っていたのかもしれません。

 

今年6月、HSS型HSPのカウンセラーのときたひさこさんとやりとりしている時に通院のアドバイスをいただいたお陰で、軽度の抑うつ状態であることに気がつきました。

ギリギリのところで救われました。

 

8月は余裕があったので少し回復したものの、9月に入り過労が祟って悪化したため、9月末から仕事を休むという診断が出て、今年いっぱい養生する予定です。

もうかれこれ12年くらいは働き続けていたので、小休止と割り切りました。何より仕事が手につかないので。

 

10月の終わり近くまで気力がなくほとんどベットの上で寝たり起きたり。

目が覚めたらスマホでアニメを見て、漫画や本を読む、疲れたら眠りにつく、それ以外は何もしたくなくて、食事はお腹が空いたらお菓子を食べるばかりでした。

 

部屋中荒れ放題。掃除もしたくない、洗濯物も畳みたくない、湯船に浸かるのも面倒、挙句にシャワーだって面倒、食器も洗いたくない…泥棒が荒らしたよりもぐちゃぐちゃでしかも不潔。

その場に居て、自分自身で不快この上ないけれども改善する気は全く起きない。

 

振り返るとこれが抑うつというものだったと今更ながら気付きます。当事者としてはそんな状態でも、本は読めるし生きてるし大したことないんじゃないかと思っていました。

 

10月末から意欲が少しずつ上がり、生活環境を整えるため食器を洗ったり片付けをし始めました。

ちょうどフジファブリックプレモルライブ配信前後あたりからというのが私らしい話です。

薬プラスライブが効果ありってことですね…

 

寝たきりの間は気力はなくても時間はあるため、部屋が汚いなぁきれいになったら良いなぁと切望しながらスマホでネットで片付けのサイトを見たり、room clipというお部屋投稿アプリを見たりと我が家を住みやすくするイメトレはしていました。

 

子供の頃から片付けが苦手で部屋がきれいに片付いていたという記憶も実態もない私です。キレイでいてインテリアも素敵なお部屋というものに何十年と憧れていました。

インテリアショップや雑貨屋巡りも大好きで、細々とした雑貨を買うのも趣味でした。でも、ごちゃごちゃするばかりでうまくできません。

 

片付けの本も大好きで、近藤麻理恵さんの『人生がときめく片付けの魔法』を皮切りに何冊も片付けアドバイザーの本を読みました。

世間でも『ときめく片付け』『断捨離』『ミニマリスト』等等、色々なコピーが片付けの謳い文句として流行りました。

 

茶道を始めたのもその後で、茶室の中は極限までモノがない空間。特に運びのお点前と呼ぶ作法は何も無いところから始まり茶を点てて、最後もまた何もなくなるという究極の美です。

 

その結果、私の中での勝手な解釈で不要なものを捨てることがまず第一歩で、さらにその後「ものを増やすことは悪だ」

と思い込みました。

 

この解釈に達したのは一つ理由があって、結婚時代に夫であった人の所持品がとても多く、引越しの際に梱包が間に合わなくなり、義弟まで巻き込んで迷惑をかけたことや、別れる際も彼は捨てられずにとんでもなく苦労していたのを見ていたからです。

そして、彼のモノの多さにも辟易としていました。

 

対して、私はかなりのモノを捨てて身軽に新しい住居へ移動しました。モノの少ない部屋のなんと気持ち良いこと!!身軽なこと!!

 

それら一連の流れが「モノを増やすことは悪だ」と拡大解釈に繋がりました。

 

HSS型HSPの特徴でしょうか、通常は頭が硬い方ではないし合理的に考えることを好むのに、心傷(トラウマ)から紐づけた非合理的なルールには前後不覚なくらい囚われることがあります。

 

「モノを増やすことは悪だ」

 

イコール、モノが増えることは「恐怖」として私の中で馬鹿げたことに植え付けられてしまっていました。

何より片付けブームは「捨てる行為」を推奨していることがそれを立証しているように思いました。

 

しかし、HSS型HSPの悲しい性かな?!

新たな物事への興味や関心、それに伴う物欲は尽きません。茶道、着物、フジファブリックの追っかけ、マラソンDIY…他にも短いスパンで色々とやりたいことは増えて…気をつけても多少なりとも道具が増えます。

置き場所に惑い次第に部屋はごちゃつきます。

 

ミニマリストに憧れはしたものの、薄々私には無理なんじゃないかと勘づいていました。

 

片付け本を読んでブームの時は一旦はモノも減ってスッキリするけれど、直ぐにリバウンドすることの繰り返し…さらに私の最大の欠点は元の場所に戻すのがとんでも無く苦手、めんどくさく感じてしまうこと。

 

キレイな部屋に住むということは絶望的でした。快適な部屋は私には無理なのかしらん…。

 

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって、これまで平日は朝から晩まで仕事、休日はほぼ出かけるルーティーン。つまり、寝る時以外は外出中だったのに快適ではない部屋に留まることを否応なく強いられました。

 

そうなってくると、快適ではない部屋に長時間いることが次第に耐えられないことが発覚しました。

 

しかも、仕事もネット環境が整い在宅化もずんずん進んでいる。(寧ろ、その為の調整役が仕事だった。推進者でした)

 

私は何故だか自宅として荒れているのはまだいいけど、職場が汚いというのはどうしても嫌!という矛盾した性分もある変な性格。

しかも、リモートワークが始まると一部とはいえ会議で部屋を晒します。

情けなくも外ツラだけは良くしたい、これまためんどくさい私の自尊心が痛みました。

 

そんな中のゴールデンウィーク、部屋にひとりで缶詰。つまり暇です。

 

まず手をつけたのは寝床でした。

 

ものを増やさないことは次引っ越す時(全く予定はないのです)のためという言い分もあって、持ち運びが楽な布団生活にしていました。

畳んでしまえば部屋も有効利用できるナイスアイデアだと思いましたが、日々畳んだり押し入れのない洋室に置くのは、非常に嵩張り厄介で実はとても邪魔なことにストレスを感じていたのです。

 

そこで、ベッド生活に切り替えようと、スノコベッドを購入して組み立てました。

その上に布団を敷いたら何とまあ快適!!

いちいち片付けなくても良いのです!

そして部屋の寝場所を確定することは思ったよりスペースとして邪魔に感じないということも発見でした。

 

それと同時に、カラーボックスに収納していた本の置き場所を廃止して、収納も多くデザイン性があるシェルフを購入して組み立てました。雑貨の飾り棚としても使えます。

 

購入した最大の理由は、読まない本を売ったとしてもはみ出す本が増えてきたのがずっとストレスだったから。

果たして全てきれいに収まりました。取り出しやすいし。

 

家具を買って収納する。結果としてこれだけで生活が便利になった。家具を増やすことで部屋が有効利用できているし、ストレスも減った…という事実。

 

「当たり前じゃん」

て言われること必須な話です。

 

その時に気づいたのは収納グッズを増やして、モノを増やしても収納場所を決めていったら部屋って実は片付くのではないか?しかも快適ではないか?

 

モノを増やすのは悪で、必要最低限のモノで暮らしていければ良いと固く信じていた私にとっては目から鱗でした。

 

その後休職生活に入って、ゴロゴロしながらスマホでひたすら人様の収納テクニックをリサーチ。収納のブログなども潰さにチェック!

 

以前だったらお金をかけて収納グッズを増やして失敗したらとかどうしよう…あとで捨てるのが大変とか…(実際、ベッドは3年くらい悩んでいた。アホか!)

余計なことを考えて進めてなかったのが、抑うつによる脳の機能低下もあって??後先をグルグル考えることができないのが逆に良い効果だったんでしょう。

収納如きで「未来をどうしよう」と考える想像力も出ません。怪我の功名と思っておきます。

これくらいは仕事に比べても、失敗したらやり直せば良いし、自分の部屋だから誰に怒られることもないし、自分にしか責任もない、お金に糸目なんかつけなくていいさーと開き直りです。

 

あ、100円ショップ利用率高いので実は大した金額でもなく…

 

ひたすら、収納できる場所のサイズを測り、スマホでネット上の便利グッズやレビューの高いグッズを検索、100円ショップへ散歩がてら日参、出先では無印やニトリへ寄り道、シンデレラサイズの収納用品を探す…全集中です!

 

そして、インテリアや収納関連が10数年前と違ってプチプラなのも驚きです。

同時に本当に不要なモノは捨てていきました。

 

片付けの真髄は実は捨てることではなくて、

 

1. モノをしまう定位置を必ず作ること(それぞれのお部屋をあてがう気持ちで)

2. なるべく一手(茶道用語、ひとて、片手だけで作業完了)で出し入れができること

3. 好きなモノや欲しいモノを買うこと

 

ただそれだけをルールとするのが気持ちの良い部屋を作ることの私の結論でした。

 

断捨離というのは人によってはもちろん有効手段。モノに過去などを縛られて動けない場合は捨てることにより好転するでしょう。

私自身も結婚時代に使っていたモノは手放すことで心の瘡蓋が取れていくような解放された気持ちになります。

 

ときめくモノだけを残すこともひとつの真理ですが、ときめかなくてもゴミ袋や薬、洗剤など絶対に必要なもの、料理のアイデアグッズなどもあるだけで便利な物もあります。(なるべく気に入ったモノを買うようにしてますが)

 

そして、モノが好きな人はモノが密集しているのが心が落ち着くのです。理想的な部屋の在り方は人それぞれなんですよね。

私は本棚にぎっしり本が並んでいる様に安心します。見仏記の背表紙が見えるだけでも心癒されます。

 

想像してみましょう。私は憧れていたミニマリスト的なお部屋は逆に落ち着かないかも…

色んな意味で実はミニマリストはそもそも向いてないのかも?

 

一概に断定しませんがHSS型HSPには断捨離やミニマリストになるというのは土台無理なのではないか。

それよりも熱中している本や道具が収まって使いやすい場所を作ってあげることに力を注ぐことが素敵な心地良い部屋を作るための近道なんじゃないかな。

 

これは個人的な思いで言葉尻を捉えてるだけかもだすが、今やすっかり定着している『生活感のない部屋』という言葉が持て囃されて、素敵なことと思われるのは嫌いです。

生活感のある住まいが私には心地良い場所であるように感じます。

 

最後に、時間がない多忙なHSS型HSPはプロにアドバイスをもらう方が正解かもしれません。

 

片付けや収納用具を決めるに当たって色々なパターンを想定してどうしたら良いか、思い悩んで決められないのと、時間が有り余っている私のようには片付けだけにかまけていられないでしょう。

私も一人暮らしのワンルームのくせにまだ片付けは道半ば。ましてや一軒家や家族が居るとなると気が遠い話です。

 

今の私はウツヌケはすぐとは行かないですが、片付けや自分らしい生活感のある部屋が見えてくるにつれて、何気ない日常が楽しく思えてもきました。

部屋が片付くことは自分を取り戻すことに繋がってるんだと実感しています。

 

気が向いたらブログを更新します。

ではまた。