窓辺の喫茶

表千家茶道、茶人を目指す。アート、音楽好き。HSS型HPSのため臆病なくせに好奇心旺盛。日常に思ったことの徒然を書く。

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茶道とSNSのマナーについて千宗屋氏のコメント

茶人を目指す、窓辺亭主ミワコです。

 

一年の始めの大きな楽しみが初釜。幸せを存分に感じる瞬間です。

本日初釜を楽しんできました。

 

帰りすがら、官休庵の若宗匠千宗屋氏が載せたInstagramに釘付けになってしまいました。

 

私もこの記事には賛同しました。

SNSが普及したとは言え、茶道の場であろうと無かろうとマナーは守るべきです。

 

So-oku Sen 千 宗屋 on Instagram: “【茶の湯と写真 インスタ、マナーについてお願い】これを書くかとても悩みましたが、大切なことなので書いておきます。…”www.instagram.com

 

 

千宗屋氏は著作やメディアなど茶道の普及や精神を伝える先進的な取り組みをされています。SNSの活用は素晴らしいと思って拝見しています。

招かれた茶室や茶会の様子をSNSに上げてしまって良いと勘違いする人たちが増えてることを嘆いています。

 

指導していく立場として、自らがSNSで茶道を発信している身として苦しいながらも仰ったんだと言うことが滲み出ていて。辛いお立場だなと陰ながら悲しくなりました。

 

最近は最低限のマナーを教えないお師匠さんも増えているのか、Facebookなどでも稽古の道具や茶会の道具を掲載している方を見かけて、私も違和感を覚えていた。

流派が違うとOKなのかなと思いつつも、表千家でもたまに写真を撮影している人も見かける。

 

自分の道具ならまだしも人様の所有物なのだから、それを公の場に見せるのは許可が必要なはず。

それは茶道だけに言えるものでも無く、劇場、ライブや映画館などだって写真や映像を撮影して公開するのは違法ですよね。

それに、他所の家に招かれて勝手に室内を動画など撮影してネット上に上げるのは常識的な行為とは思いませんよね。下手しなくても、訴えられますよ・・・。

 

だからこそ、いくら先生が写真を撮っても良いわよと言っても、利用法も許可を得てください。

 

また初釜や茶事はもちろんのこと、茶会は大寄せであっても公的な場所では無いことを肝に命じるべき。

先生の繋がりで茶券が配られることがほとんどで、一般公募で販売されることは稀なのですから。あくまで亭主が客をもてなす私的な場所。誰でもお金を出せば入れる喫茶店とは同じではないのです。

 

茶室は亭主が客だけにプレゼンする表現の場所なのです。

 

流派や社中の初釜であれば、その道を学び世界観を分かる人が招かれて成立しているプライベートルーム。いくら素晴らしかったとか楽しかったと言っても公開するものではない。

ましてや茶会の期間中に自分のSNSに上げて、これから参加するお客様の楽しみを奪ってしまったりと、本当に想像力というのが無いんだろうな〜。

自分だけよければ良い精神に落胆。

 

私も稽古の様子を書いてはいますが、先生のお道具に対しての詳細は書かないように心がけているつもりで、一般的に時期的なお稽古風景や禅語で表されることを中心にしています。

 

ちなみに、中世や近世・近代の茶人の手紙に使った茶道具の詳細が書かれて美術館などで公開されているから良いではないかという論説もあるかもしれない。

それも仲間内のプライベートなものを後世の人間が貴重な記録や遺物として表装したものでしかない。

ちなみに、本格的に茶道具の名品を美術館などで観られるようになったのも、ごく最近の戦後から。それまでは貴族や実業家などの所有物であったが、戦後にそういった階級がなくなり、文化財保存のために、また公共的な美術品として美術館に収蔵されるようになった。

 美術館に展示されている美術品とプライベートルームを一緒にすることは違うのです。

 

残念なことに、茶道は茶道具がクローズアップされ、名品を見せ合うお金持ちの遊びだと思われがち。それはひとつの側面であって、茶道の真髄は内面の鍛錬や仲間に対するもてなし、心の共有と言った禅に通じる高い精神性の追求なのだと私は思っています。

 

茶事や茶会の茶道具を、広くお披露目するのが茶道の目的ではないのです。

 

最終形の表現が懐石に始まる茶事。

建築、庭、道具、料理に茶、その日の空気まで全てを集合して数時間に思いを伝える。

さらに、客はそれをじっくり五感で読み取って、心ゆくまで楽しんだうえで感謝の想いを亭主に返すキャッチボールがあって、その茶事は成功したと言える。すべてが心のやりとり。

 

 

香合が可愛いから写真撮ってみんなに見せよー!

 

記念撮影しようよー!

 

私も亭主の席ではいポーズ!

 

 

う~ん。なんかちゃうよね・・・

 

人それぞれの考えで、皆さん茶の道に向かっているから私の考えが全ての正解では無いとは思います。カジュアルに楽しむお茶もあるでしょう。

私みたいな考えは古臭いババアだぜと思う人もいるかも。

 

 

宗屋氏に賛同される方が多かったのが、なによりも救いでした。