茶道 12月2日の稽古と着物
茶人を目指す、窓辺亭主ミワコです。
早いものでもう師走。なんだか気がついたら予定が詰まっていて走るように1ヶ月過ぎ去りそう。
今日は炭点前の稽古を付けていただいた。
炉開きに引き続き、瓢(ふくべ)の炭取りを使う点前となった。炭の組み方がいつもと違うので、たまにやるものは毎回戸惑う^_^
炉開きには「三部(さんべ)」を揃えるということだが、それは「織部」「伊部」「瓢」にちなんだもの。まあ、駄洒落ですな。
いんべ、伊部は備前焼の花入
ふくべ、瓢はひょうたんの炭斗
が一般的だと言う。
しかし、織部焼は元禄頃から一般的な用語になったらしいので利休の頃からあったものではなかろうなとか思う。
駄洒落とか見立て(別の用途のものを茶道具として使う)とか茶道では随所にあって、堅苦しそうでいてそうでもないのが面白いところ。
着物は肌寒くなってきたので、暖かい紺色の結城紬にくすんだピンク色の渡文の帯を合わせてみた。
年末の忙しない時季には動きやすい紬の着物を着たい気分になる。
どちらもホッコリ系のともするとモッサリかつ老いて見えるテイストのアイテム。
こんな取り合わせの時は、帯揚げと帯締めを明るい綺麗な色にしてみるとスッキリ若々しさが出る。
帯に含まれる、紫とオレンジを合わせてみた。
この結城紬は、本結城紬でリサイクルショップで破格で手に入れた。サイズが小さいこと、かなり着たため襟や八掛(裏地)が汚れていたことなどが破格な理由。売りに出した方も着てもらえる人が居たらという気持ちであったと店員さんが仰っていた。
しかし、結城紬は始めは硬い生地なのでたくさん着込んだため柔らかくなっている。
着物を解き洗いをしてもらい、裏地はターコイズブルーに替えて、襟を裏返して仕立て直したら、マイサイズ真っ新になった!
柄も幾何学模様でモダンな感じもあって古さは全く感じない。何十年も前のものなのに、それがまた不思議なのだ。
薄い紺色の亀甲模様は藍で手染めだとリサイクルショップの方から教えてもらった。色が不均一なのが手仕事の証だそう。今は化学染料なので均一になっていて比べたら成る程と思った。
80亀甲なのも、昭和の時代に廃れて今は作っていないタイプだと分かる。
ちなみに、これが本結城紬でなくとも、自分で手を加えたため愛おしさは変わらないのだけれど。
これは着物でしか出来ないのではないかなぁ。
日本人の絹を大切に着る知恵。
新品を購入するのも心トキメクが手入れして自分の着物になるのも愛着を感じる。
私は親や親戚から譲り受けるものがないが、そういった着物がある方は、是非繋いで欲しい気持ちになる。
茶道では、基本は柔らかものを着るが表千家の場合は例外として結城紬は許容されるそうだ。
紬の中でも別格に数えられているのだろうか。
無地の結城紬に紋を入れて仕立てる場合もあるそうだ。
白襟と白足袋でシャッキリと、柔らかい結城紬でのお点前はとても心も暖かくなるひとときだった。