窓辺の喫茶

表千家茶道、茶人を目指す。アート、音楽好き。HSS型HPSのため臆病なくせに好奇心旺盛。日常に思ったことの徒然を書く。

MENU

畠山記念館『原三渓〜茶と美術へのまなざし〜』展 感想

茶人を目指す、窓辺亭主ミワコです。

 

秋は美術館が豊作シーズン。私には堪らない季節。

どれから観に行くかでかなり困る。

 

そんなこんなで、とりあえず終わりそうな展覧会から攻めるという無計画な感じになるんだよね。

 

書ききれて無いので急がねば!

 

畠山記念館http://www.ebara.co.jp/csr/hatakeyama/www.ebara.co.jp

 

さて、今回行った、畠山記念館は大好きな美術館のひとつ。

 

表千家東京支部青年部茶会でもこちらの茶室を使わせていただいていて一年ぶりの来訪。

 

市中の山居と茶人は茶室をそうでありたいと表現するが、白金台一帯は江戸時代から大名家の下屋敷が連なっている地域。

 

畠山記念館も元々は島津家のお屋敷だったところ。 のちに、寺島宗則伯爵の邸宅となり、その後荏原製作所創立者の実業家畠山一清(即翁)が私邸を造営した。

 

重厚な門を通り抜けると、高低差のある敷地そこかしこに大木の並ぶ山中のような風景。

今は紅葉美しい季節で、広い敷地に茶室が点在して、真ん中にコンクリート造の建造物がどっしり構える。

これを見るだけでも来てよかったという気分にさせるのが不思議なものだ。

 

今回は親交のあった原三渓の収蔵品と畠山即翁交流についての展示だった。

 

どれも素晴らしいのだが、しれっと元時代の書画が国宝だったり、重文もそこかしこに。宋代やら平安時代やらの物品が何気なく並んでいて、私にとったらめくるめく世界なのだ。いつもなのだけど。

 

私は茶道具に張り付くことが多いが、今回は清原元輔像の書に釘付けになった。

「かな」とはこんなにも美しくて心打つものなのかと感動してしまった。

正直、書でこんなに心動かされるのは初めてのことで、今更ながら美意識を教えられた気分だ。

 

中国の古来から書は芸術として成立しているが、日本語の文字として作られた仮名文字をあっという間に美しい文字に大成させた日本人って素晴らしい。

 

こちらは掛物を一段上がった畳の上で座って鑑賞できる。実際に茶室でのシチュエーションに近くて、気の利いた趣向なのだ。

こういう美術館がもっとあっても良いと思う。

 

他にも、茶碗を始めとする大名物の茶道具や大きな屏風絵。原三渓の書簡など、見所がたくさん。

 

あなたはどの美術品に心惹かれるだろうか。

 

こちらでは、たったの500円でお抹茶もいただけるのでおススメ。

仄暗い茶室でつくばいの音を聞きながら、井戸茶碗で一服するとタイムトリップしたような静謐な気分も味わえる。 

 

12月16日まで開催しています。